連載中の長編 / 最近の短編

《鋼の帝国》年代記

刃と武が治める森深き帝国。
果てなき戦乱、鋼を握る手、祈りの声の物語。

額縁の物語

「残念ながら、僕は考古学は門外漢だ。だから、ささやかな物語を話そう。ある若き考古学者と虹のかなたを歌う歌についてだ」

女神は灰の夢を見る‏

S女史の豊かな胸の内側の暗闇には、赤い火が燃えている。
私がそれを知っているのは、美しくも気位の高い彼女と何か特別な関係にあるからというわけではなく、ある些細な偶然のせいだった。

野心と焼き菓子の午後

僕の主人は変わり者だ。
いわゆる小国の王子というやつで、つまりはやんごとなきお方なのだが、残念ながらその順位は八番目。王座などまた夢の夢、とっても中途半端な立場だ。しかも、面倒くさがりで、ひきこもりだ。