短編

額縁の物語

「残念ながら、僕は考古学は門外漢だ。だから、ささやかな物語を話そう。ある若き考古学者と虹のかなたを歌う歌についてだ」

女神は灰の夢を見る‏

S女史の豊かな胸の内側の暗闇には、赤い火が燃えている。
私がそれを知っているのは、美しくも気位の高い彼女と何か特別な関係にあるからというわけではなく、ある些細な偶然のせいだった。

野心と焼き菓子の午後

僕の主人は変わり者だ。
いわゆる小国の王子というやつで、つまりはやんごとなきお方なのだが、残念ながらその順位は八番目。王座などまた夢の夢、とっても中途半端な立場だ。しかも、面倒くさがりで、ひきこもりだ。

太陽と月の王国

昔々、あるところに、世界中のあらゆる富を手に入れた王国がありました。
王様のお城は世界中から集められた宝石で飾られており、冠は魔法使いが秘密の儀式でつくり出した金属でつくられておりました。